モルタルの寿命はどれくらい?劣化内容や補修内容について解説します。

「モルタルってどうすれば長持ちするの?」このような疑問にお答えします。この記事では、モルタルの寿命と劣化する原因や症状、補修方法と業者に依頼する際の価格相場について解説するので、ぜひ参考にしてください。

モルタルの寿命

モルタル造形

モルタルの寿命は平均で3〜5年程です。環境や使用する材料によって多少異なりますが、5年以上経過した場合は後述する劣化症状が現れ始めます。劣化した際は補修することで修復可能ですが、放置していると劣化個所から浸水や崩壊が始まってしまうので、早めの補修が望ましいでしょう。

また、モルタルを使用する際は、防水効果の高い塗料や保護剤で表面をコーティングしているのですが、施工直後はアルカリ性に傾いているので、強力なコーティング剤を使用できません。しかし、補修が必要になる頃にはPH値も落ち着く可能性が高いので、強力なコーティング剤を使用できます。

正しく補修すれば30年程長持ちするので、補修は必須と言えるでしょう。むしろ他の建材を使用しても補修やメンテナンスをしないと経年劣化がおこるので、モルタルに限らず補修が必要なので、モルタルだけのデメリットではありません。

モルタルが劣化する原因

モルタル造形

モルタルが劣化する原因は主に浸水です。モルタルに浸水すると後述するカビやコケの原因になったり、水の吸収と乾燥を繰り返すとモルタルが膨張と収縮を繰り返すのでひびや崩壊の原因になってしまいます。

また、浸水の原因になるのが表面にコーティングされている塗料や保護剤の劣化です。コーティング剤は紫外線や雨風によって劣化していき、水を弾かなくなります。具体的な劣化症状は後述しますが、気づきにくい症状も多くメンテナンス頻度も年単位なので、劣化していても放置しがちになる場合が多いでしょう。

劣化症状

モルタル造形

モルタルが劣化した際に現れる症状は下記のとおりです。

● ひび割れが起きる
● 水を弾かない
● 触ると粉がつく
● 表面がはがれる
● コケやカビが生えている

それぞれ具体的に解説します。

ひび割れが起きる

表面にひび割れが起きている場合は劣化している症状です。小さなひびであっても補修しなければ被害がすぐに拡大してしまいます。ひび割れが起こると浸水の原因になるからです。ひび割れが大きくなると浸水や害虫の侵入経路になる可能性があります。

また、木造建築の場合は外壁だけでなく柱へのダメージにもつながるので注意してください。特に、ひびが5ミリ以上になっている場合は症状が深刻なので、早急な修復をおすすめします。

水を弾かない

水をはじかなくなるのも、モルタルの劣化症状です。水を弾かない場合は、表面の防水塗料や保護剤などのコーティングがはがれている可能性が高いからです。コーティングがはがれると浸水の原因になったり、紫外線によるダメージで変色などの影響が出てきます。

また、浸水が進むとモルタルだけでなく、外壁や柱などの他の建材にも影響する場合があります。特に、水を弾かないという症状は気づきにくく、見過ごしてしまう可能性が高いので、注意してください。

触ると粉がつく

触ると粉がつく場合も、劣化症状の1つです。粉がつく現象を「チョーキング現象」と言い、塗料が劣化して油分が無くなっている状態をさします。モルタルに塗る塗料には防水効果のある油分と発色のための粉が混ざっているのですが、油分が紫外線によって劣化して発色のための粉が露出してしまいます。

防水効果の油分が無くなると浸水によるモルタルや建材へのダメージはもちろん、物理的に触れると汚れてしまうので、気づかないうちに汚れが周りに広がる可能性があるでしょう。水を弾かない症状と同様に気づきづらい症状なので、定期的な確認が大切です。

表面がはがれる

表面がはがれてくる場合も劣化している症状です。はがれているのは塗料や保護剤などのコーティング剤で、モルタル自体ではありません。塗料やモルタルに含まれている接着成分が劣化するのが原因です。他にも地震による振動や、熱に弱い塗料の場合は熱膨張などの影響も受けます。

表面がはがれると浸水の原因になるので、モルタルの寿命が早まります。なにより、見栄えがとても悪くなるので、モルタル造形でオシャレな雰囲気を作っている場合は、デザインが台無しになるだけでなく、補修をしないだらしなさまで見られてしまうでしょう。

コケやカビが生えている

カビやコケが生えているのは劣化している症状です。上述した劣化症状の中で1番劣化が進んでいるので、見つけた際は早めの補修が必要だと言えます。コケやカビが生えているということは、すでに浸水していてモルタルに水分が多く含まれている状態だからです。

浸水が進んでいる原因は上述した他の症状がすでに出ていて、気づかずに悪化させている可能性が高いです。また、掃除をすれば一見綺麗になるので、知識がないと放置してしまいがちになるでしょう。もし、コケやカビが生えている場合は、他の劣化症状が出ていないか確認を怠らないようにしてください。

劣化箇所の補修方法

モルタル造形

劣化箇所の補修方法は劣化内容や劣化の進行状況にもよりますが、清掃と塗装が必要になります。ひび割れが起きている場合は、新しいモルタルによる穴埋めも必要です。めんどくさがって工程を省いてしまうと、すぐに新たな劣化症状がでてきて、いたちごっこになるでしょう。

なぜなら、清掃をせずに塗装を始めてしまうと古い塗料や汚れが付着しているので、新しい塗料が定着しづらくなってしまいます。また、ひび割れを穴埋めしないで塗装してしまうと、すぐに同じ症状が現れやすくなります。見た目が綺麗だからと言って清掃と穴埋めだけで新たに塗装をしないと、防水効果が低い可能性があるので浸水による劣化を防げません。

専門業者に依頼する際の価格相場

モルタル造形

モルタルの補修を専門の業者に依頼する際の価格相場は、下記の通りです。


補修内容 価格相場
ひび割れの穴埋め 1~5万円
清掃 2~3万円
塗装の塗りなおし 60~80万円

ただし、業者や補修場所、補修面積によって価格は大きく左右されます。例えば補修場所が2階以上の外壁の場合は、足場を設置する必要があるので費用が上乗せされます。また、補修面積が広ければ広いほど価格は上がっていくでしょう。他にもモルタル造形でデザインしている場合は、精密な作業が必要になるので高額になる可能性が高いです。

しかし、安い金額ではありませんが、専門業者に依頼するのがおすすめです。なぜなら、塗料の塗り残しやひびの穴埋めが十分でないと、またすぐに補修が必要になり2度手間になるからです。特に高所の作業は危険もありますし、慣れている職人に依頼する方が良いでしょう。

まとめ

モルタル造形

この記事では、モルタルの寿命や劣化症状について解説しました。

モルタルの寿命は平均で3〜5年です。ただし、適切な補修をすれば30年は維持できます。

モルタルが劣化する原因は浸水です。また、浸水する原因として塗料などのコーティング剤の劣化があげられます。コーティング剤には防水効果が含まれていますが、雨風や紫外線で劣化します。モルタルやコーティング剤が劣化している症状は下記の5つです。

● ひび割れが起きる
● 水を弾かない
● 触ると粉がつく
● 表面がはがれる
● コケやカビが生えている

特に、コケやカビが生えている場合は、他の劣化症状が出ていて症状が悪化している可能性が高いので、注意してください。

劣化箇所の補修方法は清掃と塗装です。ひび割れがある場合は穴埋めも必要になります。専門業者に依頼する場合の価格相場は下記のとおりです。


補修内容 価格相場
ひび割れの穴埋め 1~5万円
清掃 2~3万円
塗装の塗りなおし 60~80万円

ただし、業者や補修場所、補修面積によって価格は異なるので、実際に依頼する際は見積もりを取ってもらって確認してください。